住宅用運動遊具「うんていやぐら」は、天井つっぱり方式を採用しています。これは主に転倒防止のためですので、思いっきりつっぱる必要はありませんが、組み立て中に強くつっぱってしまったりなどで天井を損傷してしまうリスクがあります。
このリスクを低減するため、うんていやぐらは天井下地のある場所に設置するのが望ましいです。まず天井の仕組みを知るところから始めることで、設置予定場所の天井下地の位置調査を効率的に進めましょう。
住宅における一般的な天井の種類
「住宅」と一言で言っても、
- 戸建て
- マンション
- アパート
- 団地
- タウンハウス
などなどたくさんの種類があり、またそれぞれ
- 木造
- 鉄筋コンクリート造(RC造)
- 鉄骨造(S造)
などの建築工法がありますが、今回興味がある「住宅の天井下地」の観点では、概ね以下の天井を押さえておけば十分そうです。
- 直天井
- 吊り天井/二重天井(金属下地)
- 吊り天井/二重天井(木造下地)
- 板張り天井/和室天井
直天井
上階の床裏・屋根裏に直接仕上材を取付けた天井。天井裏の空間があまりとれないため、埋込み型の照明器具(ダウンライト等)や空調機器の取付けには不向きです。
LIXIL
直天井は、上階の構造部(硬いところ)に直接仕上げ材(ボードやクロス)を張り付けた構造。うんていやぐら設置の観点では、非常に頼もしく申し分ない構造と言えます。
吊り天井/二重天井(金属下地)
上階の床の裏面(天井スラブ)から吊り金具などで下地枠を吊り下げ、その下地枠に天井ボードを貼り付けて仕上げる天井のことです。
MOKUSIRU
がっちり硬い構造躯体から空間を隔てて天井を設けるのが吊り天井/二重天井。天井の平面を形作る石膏(せっこう)ボードは強固なものではありませんので、天井つっぱりをする際には下地(野縁)がある場所を選ぶのが無難です。
うんていやぐらの天井つっぱりの際には、「野縁」に天井板が当たるようにします。この野縁、画像からもわかる通り一定の方向を向いており、その間隔は多くの場合で30.3cmです。
「野縁受け」もありますが、これは天井面(せっこうボード)から空間を隔てて存在しているので、天井つっぱりの観点では無視して良いです。
吊り天井/二重天井(木造下地)
吊り天井/二重天井には木造下地のものもあります。木造住宅だけでなく、たまにマンションでも採用されているようです。野縁の下に石膏ボードを貼るのは金属下地と同じ。
こちらも、天井つっぱりの観点で興味があるのは「野縁」のみで、その間隔は金属と同じく30.3cmが主です。
一点気を付けるべきところは、その方向の探し方。画像の通り、基本的には同じ方向を向いていますが、たまに直交方向の下地も石膏ボードと触れているようですので、下地探しの際には少し混乱する可能性があります。
木造下地の場合は、下地の方向は一定ではない、かつ交差しているところもある、というのを頭に入れておくと下地探しが捗るかと思います。
板張り天井/和室天井
板張り天井/和室天井には
- 目透かし天井
- 竿縁天井
- 格天井
- 折上天井
など多くの種類がありますが、マンションや戸建て住宅でよく見られるのは上の画像のような「目透かし天井」です。
この下地は二重天井の時よりさらにケースバイケースのようで、下地調査の際には先入観を捨てて臨むのが良さそうです。