2022年に販売開始して以来100台あまりを販売してきたうんていやぐらは、そのユニークさゆえに様々なリスクが存在しますが、ユーザーの方々からのフィードバックを得て日々進化しています。良い点だけを発信するのでなく、これまでの不具合・クレーム情報とその際の対応について開示・共有することで、私たちの品質レベルの実情を把握頂き、購入予定のみなさんやユーザーさんに少しでも安心感を持っていただければと思います。
不具合・クレーム履歴
※新しい順に並べています。
クリア塗装品の部品同士がくっついてしまっていて分解できない
(2023年11月)
(2023年11月)
- 事象とユーザーさんの一次対応
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- 開梱時、肋木とボルダリングの2パーツがくっついてしまっていた
- マイナスドライバーをハンマーで打ち付けても離れないほどに強固
- 最終的にのこぎりで切って分離、40分くらいを要した
- のこぎりで切断した際に、肋木とボルダリングの表面が損傷した
- 損傷の程度としてうんていやぐらの構造上は問題ないものの、表面がささくれているため、触れた際に手足を損傷する可能性があり危険
- 塗装も一部剥がれてしまっている
- その後無事に組み立てを終え、遊べることを確認したのちに、当方に連絡頂いた
- 原因
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- クリア塗装品(ウレタンニス)の場合、部品同士がくっつくポテンシャルがある
- 配送時にくっついてしまうリスクに対応するため、標準の梱包要領では各部品をラップで包むことになっていた
- 当該オーダーではその工程が抜けていた
- またそのミスを、出荷前検査で検出できなかった
- 現品処置
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- ユーザーさんには以下の2案を提案し、案2を選択された。
- 損傷のあった部品の新品を製作・配送する
- 製作・配送に2週間ほど時間を要する
- 補修をユーザーさん自身で行って頂き、そのまま使用頂く
- お詫び金をお支払い
- 補修手順や必要な部材を細かく連絡
- 損傷のあった部品の新品を製作・配送する
- ユーザーさんには以下の2案を提案し、案2を選択された。
- 恒久対策
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設計・製作
- 【未了】くっつかない塗料に変更する
検査
- 出荷前の検査項目に「梱包状態」を追加する
販売
- 設計対策が決まるまでの間、クリア塗装品の販売を休止する
畳仕様が着脱不可の仕様になっている
(2023年10月)
(2023年10月)
- 事象とユーザーさんの一次対応
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- 畳仕様が設計通りの仕上がりとなっておらず、そのため畳仕様を取り外すことができない。
- 通常の畳仕様は、柱と柱の間に板を入れる形のため、ユーザーさんの方でビスを外していただくことで畳仕様の板を着脱することができた。
- ユーザーさんは将来的な畳への移設も想定して畳仕様をオーダーしたものであり、初期の設置時には外して使う予定だったがそれができなかった(柱が短くなってしまって設置できない)。
- このままだと組み立てできないため、分解状態のまま当方に連絡を頂いた
- 畳仕様が設計通りの仕上がりとなっておらず、そのため畳仕様を取り外すことができない。
- 原因
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- 畳仕様に関する指示が図面に明記されていなかった
- 本オーダーを担当した大工・検査員にとって今回が久しぶり(約半年ぶり)の畳仕様だった
- 現品処置
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- ユーザーさんには以下の2案を提案し、案2を選択された。
- 正規の部品を新たに製作し、分解・再組立てを当方で実施する
- 製作に1週間ほど時間を要する
- 畳仕様のままフローリングでも使っていただく(そのまま使用して頂く)
- お詫び金をお支払い
- 畳仕様のフローリング設置は問題ない
- ただし、無駄に板が足元にくるため、比較的ジャマになりやすいデメリットがある
- 正規の部品を新たに製作し、分解・再組立てを当方で実施する
- ユーザーさんには以下の2案を提案し、案2を選択された。
- 恒久対策
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設計・製作
- 畳仕様も含め、仕様の詳細をすべて製作図面上で表現し、複数の解釈ができないようにする
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検査
- 検査計画書のフォーマットを改訂し、オーダーごとに発行するように変更
穴部に割れ・付属部品不足
(2023年10月)
(2023年10月)
- 事象とユーザーさんの一次対応
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- 開梱時の確認で、穴部で割れが見られた
- 組み立てに必要な部品(ワッシャ等)が不足していて組み立てられない
- 当該不具合が発覚後すぐに当方にメールにて連絡頂いた
- 原因
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- 製作不良・検査不良
- 当方の品質基準を明らかに逸脱した状態で製作され、検査を通過してしまっていた
- 背景要因
- 本オーダーを担当した大工・検査員が久々(約半年ぶり)のうんていやぐら製作だった
- お客様を長らく(約3か月)待たせていたため急いで製作した
- 求められる品質について工場と発注側に認識齟齬があった
- 製作不良・検査不良
- 現品処置
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- お客様により当該不具合品を廃棄
- お客様の意思により注文はキャンセル
本処置についての背景
製品不良についての連絡をお客様から頂いたあと、当方にて対応を検討するため少しお時間を頂きたい旨をお客様に伝達。しかしその日のうちにお客様から連絡があり、以下の理由で廃棄することをお客様が決定された。
- 置き場所がない
- ちょうど工事会社が資材撤去のために訪れるため、他の廃材といっしょに撤去してもらえる
- 恒久対策
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製作・検査
- 製造完了後の検査記録写真を充実さえ、遠隔でも品質を確認できるように是正。
- 本事象を担当した大工・検査員に品質基準を再指導するとともに、検査のダブルチェックを必須とし合格したのちに出荷する手順に一時的に変更(信頼が回復するまで)
販売(製品サイト)
- 初期不良時の対応について、「うんていやぐら購入前のチェックリスト」に追記
梁部でビスが突き抜けて1mmほど出っ張っている箇所がある
(2023年2月)
(2023年2月)
- 事象とユーザーさんの一次対応
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- 設置後、うんてい部の梁の側面にビスの先端が飛び出していることを確認
- 当該不具合が発覚後すぐに当方にメールにて連絡頂いた
- 原因
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- 施工不良
- 当該ビスは角度を厳密に打ち込む必要があるが、その角度が悪かった
- 検査不良
- 出荷前検査において本不具合を検出できなかった
- 設計不良
- 施工に求められる精度が無用に高すぎる設計となっていた
- 施工不良
- 現品処置-1
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- このままだと手が触れてけがをする危険性があり、またブランコやロープをここに触れる形で使うと損傷するリスクがあるため、緊急処置としてプラスドライバーで当該ビスを少し引き抜く作業を実施頂いた
- その結果、ビスのでっぱりはなくすことができたが、2つの新たな問題が発生
- バー自体が他の箇所に比べてぐらつくようになった
- 当該ビスはバーの回転留めだったが、ビスを緩めたことで回転留めの効果が落ちた
- 貫通していた箇所にバリが発生している
- やすりで処理可能だが、本製品はクリア塗装品のため、やすり処理の後に塗装作業が必要
- バー自体が他の箇所に比べてぐらつくようになった
- 次の対応についてお客様と相談
- 現品処置-2
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- 新しい正常なうんてい部を再度お送りすることに決定
- 不具合品は代替品配送時の配送業者を利用して返送いただく
- 費用はすべて当方負担(お客様負担はなし)
- 交換までの間、念のため当該バーには触れないようにして頂く
- 恒久対策
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設計
- バーの回転留めビスの設計を変更し、本質的にビスが突出しないようにした
検査
- 検査計画書を新規整備した
※これ以前の不具合・クレームについては後日追加予定。