天井下地の調べ方と下地位置に応じた設計対応について

うんていやぐらでは、暮らしに溶け込むデザインのため天井つっぱり方式を採用しています。

しかし一言に「つっぱり」と言っても、基本的には転倒防止が主目的であり、天井に対して必ずしも思いっきり強くつっぱる必要はないのですが、万が一にも天井を損傷してしまわないよう、極力強めの天井を調べておく方が無難です。

また、もし設置したい場所の天井下地がうんていやぐらの天井板にヒットしない状況が判明した場合でも、ご安心ください。天井下地位置・方向に応じた設計対応が可能です。

ここでは、うんていやぐらの設置場所を選定するにあたって必要な天井下地の調べ方と、天井下地の位置に応じた設計対応について示します。

目次

天井下地調査の流れ

STEP
理想的な設置場所を決める

こちらを参考にして、設置場所を仮設定してください。複数の候補が出せると素敵です。

STEP
その部屋の天井の種類を把握する

次にこちらの記事を参考に、その部屋の天井がどの種類か、そしてどのような仕組みなのかの概要を知り、下地がどのように入っているかを想像しやすいようにします。

なお、もし直天井じかてんじょうであればこれ以降の細かい調査は不要で、どこでも設置できます。それ以外の天井の場合は、下地の位置・向きが重要となります。そのため、このタイミングで直天井かどうかをチェックください。

直天井かどうかを調べるのは簡単です。天井をノックするだけ。コンコンと何か所かノックしてみて、中に空洞があるような響く音がしなければ直天井です。よくわからなければ、後述する下地チェッカーで確認ください。

戸建ての場合はほぼすべて二重天井にじゅうてんじょう(和室の場合は和室天井)ですが、マンションの場合は直天井のケースもありますので、もしそうだとしたら、うんていやぐら設置の観点では「当たり」です。

STEP
天井板の形を天井にマスキングテープで描く

候補の場所にうんていやぐらを設置した場合、天井のどこに天井板が当たるかを捉え、天井板の形(90cm x 8.9cmの長方形)をマスキングテープで天井に描いてください。

STEP
マスキングテープで囲ったエリアに対して下地チェック

知りたいのは「天井板が下地にヒットしているか」ですので、先ほど描いた四角の中だけを調べれば基本的にOKです。もしよくわからない場合は周辺も調査ください。

下地チェックには「針をぶっ刺すタイプ」「磁石を使うタイプ」「非接触センサータイプ」があり、一長一短です。私のオススメは「どこ太」。下地チェッカーの使い方についてはこちらを参照にしてください。

天井板エリアに無事下地が見つかった例
天井板周辺を網羅的にチェックした例
拡大図。こちらも天井板に無事ヒットするので問題なしの天井下地

動画でもご紹介しています!

下地位置・方向に伴う設計対応

天井下地の調査の結果、うんていやぐらの長手方向(うんていをする方向)と平行であれば、間違いなく天井板に2つ以上の下地がヒットしていますので設置に問題ありません。この例を以下に示します。

天井下地の間隔は多くの場合で30cm、広い場合でも45cmか60cmですので、天井板長さ90cmであれば常に下地2か所にヒットできるという設計です。

基本設計から変更が必要になる可能性があるのが、これと向きが異なる場合。具体的にはこちらの例です。

設置したい向き(左右方向)に対して直交する向きに下地があった
実際の設置の様子

こちらのユーザーさんの場合、下地の位置に合わせてうんてい長さを調整するとともに、最後の微調整は天井板のサイズアップで対応しました。

ただ、「壁から壁まで長いうんていを設置したい」とか「どうしてもこの位置に柱を置きたい」などというオーダーもあります。これに応えるため、「オフセットつっぱり」という設計対応策を持っています。

オフセットつっぱりとは

その名の通り、下地位置に応じてつっぱり機構をオフセットする(ずらす)設計対応です。このユーザーさんの例では、

  • リビング隣接の中和室に、左側は壁にべったり、右側は部屋めいいっぱいで設置したい
  • 向かって左側で梁型と干渉するためつっぱれない
  • 左側の下地ポイントは少し変則的

という状況でした。

実線が当初の天井板設置予定位置、点線が下地位置

この点線の下地位置に合うようにつっぱり機構のオフセット量を決め、設計・製作しました。オフセットつっぱりの実績もたくさんありますので、どうぞ遠慮なくお申し付けください。なお、その際には下地位置の数値情報とともに、できればお写真で情報を共有いただけますと、設計対応がスムーズに済み、また万が一の認識齟齬による設計過誤も防げますので、よろしくお願いいたします。

引っ越し等で移設したい場合

うんていやぐらは天井高さに合わせてカスタムメイドしていることに加え、天井下地に合わせる必要もあるため、残念ながらどこにでも移設できるというわけではありません。何も対応せずに移設できる場合は以下1と2を両方満たすことが条件となります。

  1. 移設前後で天井高さが変わらない(±10mm程度の変化までは対応可能)
  2. 移設後も天井板が下地にヒットする

なお、1の天井高さについては事前・事後で対応可能です。

移設先の天井の方が”低い”場合

低い分だけ柱をのこぎりでカットすれば設置可能です。2×4材をまっすぐカットするための治具もホームセンターやAmazonで購入可能です。もしカットが難しい場合はご相談ください。

移設先の天井の方が”高い”場合

この場合は「アジャスター」という部品の長いバージョンを特注することで対応可能ですので、ご相談ください。

予め移設が決まっている場合

移設前後の天井高さや設置環境について共有いただければ、最も低コストで済む設計をご提案します。遠慮なくご連絡ください。

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